薬院てんてん市は、こんな祭りです

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『薬院てんてん市』は、薬院のまちぐるみで行う蚤の市です。毎年5月と10月頃、年に2回の開催。ショップの軒先や駐車場などのまちに「てんてん」と点在するスペースにて、まちの人たちが一斉にフリマを催します。2009年6月に第1回を行い、2022年11月に23回目を開催しました。

*2023年5月の記事です

2022年11月、第23回目の模様

きっかけは飲み会でした。
弊社ひかり生活デザインが賃貸リノベ計画で携わったKYOYA薬院ビルの入居者さんたちと懇親会をしたときの話。「皆で何か面白いことをやりたいね」と話が盛り上がり、フリーマーケットというかたちで実現することに。

というわけで、薬院てんてん市は2009年6月にKYOYA薬院ビル1階のガレージでこじんまりと始まりました。会場はここの1ヵ所、出店は14組という規模の本当にささやかなスタート。ただ、まち中に拡散させる目論見があったので、薬院てんてん市というネーミングにしました。薬院のまちに会場が点々(てんてん)と広がり繋がっていく、そんなイメージ。おかげさまで今では会場数が20ヶ所以上、出店者も30組ほど(コロナ前は60組)集まるイベントに成長しました。

「買わない、つくらない、自分たちでやる」これを原則に運営しています。なるべく既存を活かして、イベントのためにわざわざ何かを買ったり、新しく設えたりしない。宣伝も自分たちでやる。既存の空間やモノ、ネットワークをとことん活かせば、持続性のあるまちづくり活動ができると思うのです。
オリジナルの手ぬぐいを作り販売するなどして、3.11の震災の時には義援金を送ることもできました。 10回目にしてようやく来場者用のインフォメーション&休憩所を設けることができ、この時に思い切ってタープを購入。丁度タイミングよくディスカウントをやっていて約9,000円でゲット。これが今までで一番高い買い物に…そんな感じでやりながら運営をアップデートしています。

そしてこのネットワークをベースに薬院サルー祭りというイベントも立ち上がりました。

薬院サルー祭り
ワイングラスを片手に薬院の飲食店をハシゴするイベント

「サルー!」はスペイン語の「乾杯!」の意味。スペインバルのイビサルテに薬院てんてん市の関係者が集まって企画したということもあり、このネーミングになりました。
手にするワイングラスが参加の目印となり、見知らぬもの同士でも街角で「サルー!」と意気投合し一緒にイベントを楽しむことも……パフォーマーが流しのアーティストとして各会場をまわり投げ銭ライブをやるなど、夕暮れ時からまち中を様々な人たちが回遊するという、大人の祭り。
スタートから数年間は月一、途中から年に2回のペースで催し、70回以上開催したけど、残念ながらコロナ禍をきっかけに現在は休止中です。

そして薬院てんてん市も2020-21年はお休みすることに。
その間、再開するチャンスを伺いながら、色々と検討した結果、現在のスタイル(各会場の各自が主催者)にたどり着きました。
以前は、実行委員会/主催者としてルールを設けて運営費用を徴収したりマップ付きのフライヤーつくったり専用サイトを運営したりと色々と頑張っていたのですが、今では各会場の各出店者が主催者となり各自の責任において自由にイベントを催すという分散型に。
今、僕がやっていることといえば、開催日の調整や情報の取りまとめ&発信、それから統一感を出すために簡易なフライヤーをデータで準備して(ボランティアの方が作成)参加者にメール配布することくらい。以前に比べたらだいぶ楽だし、これだったら無理なく続けていける……コロナ禍のときは何かと大変だったけど、今となっては薬院てんてん市の精神を反映した運営スタイルに進化できて良かったと思っています。僕自身もイベントを楽しめるし…。

薬院てんてん市を再開できた時の記事。
あらためて思ったこと
*出店内容の詳細についても書きました

無理なく楽しく、続けていければと思っています。

2023.05.10
ひかり生活デザイン
春口 治彦