福岡リノベクロニクル #3

進化するリノベの教科書

リノベエステイトの自社ビル、BLDG64。リノベの教科書のようなビルです。

1964年。東京オリンピックの年に完成した4階建ビル。
2010年にリノベエステイトさんの自社ビルとなり、1棟まるごとリノベーションされました。
企画・デザインはもちろん松山さん。

コンセプトは「SPACE for CREATOR」
クリエイターのための場としてプランニングされています。

この2階ホールの足元に置かれたスピーカーにちょっと感動。音楽(ジャズ?)が階段室を静かに伝わり反響して、素敵な環境をつくりだしている。これは目に見えないデザイン。

2011年の初めに第1期のリノベーションが完成したあとにも拝見したけど、それから確実に進化していました。
その頃の福岡リノベは、3DKの間取りを1Lに変更したり設備を一新するなど、ハードな部分のリニューアルが中心だった。やがて住宅をオフィスに変えたり、シェアや民泊など使い方そのものを見直す流れに。
ここBLDG64も当時はデザインを良くして住宅からオフィスへ、そしてシェアスペースを検討し始めたくらいだったと思います。そこから随時、機能や使い方をアップデート……今では、自社のショールームをレンタルスペースとして運用するまでに進化しました。このことは、松山さんが自社ビルを使って不動産の可能性を探り、実験を繰り返した結果であるともいえます。
松山さんいわく「当時、シェアは想定していたけど、さすがにレンタルスペースまでは考えてなかった」とのこと。ネットの発展がもたらす目まぐるしい変化に対応し、小刻みに進化していったことが伺えるコメント。

そしてこの実験は、スペース的に余地が少なくなってきたBLDG64を飛び出し、松山さんが新しく取得した二つの不動産へと広がっていくのでした。

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