思想的リノベーション

清川のリノベ賃貸といえばピンとくる方も多いはず。
本日ご紹介するのは、清川のロータリー横に建つ新高砂マンションの一室です。


軽微な改修から建築家が手がけるフルリノベーションまで、80戸弱あるお部屋のうち約半分がリノベ済み。しかも、すべて一点ものという、リノベーションのデパートのような存在。賃貸という枠を超えて、リノベーションカルチャーを発信している集合住宅です。

今回は、当ビルの真骨頂ともいえる(と僕が勝手に思っている)、既存を活かしたデザイン。色んなスタイルのリノベーションを実施してきたプロデューサー(オーナー)の答えの一つがここにあるかと。集積したリノベーションのスキルがちりばめされたお部屋です。ちなみに山王マンションも同オーナーによるプロデュース。
室内はとにかく磨き上げられていて、古いながらも清潔感あり。大げさかもしれませんが、古いお寺に通じる気持ちよさを感じます。
丁寧に手入れされたノスタルジックな既存と少しだけ足されたものたち。
*照明は展示物です
まるで企画展(70年代の都市生活展、みたいな)にやって来たかのよう。

玄関通路からリビングの床にかけてはCFシート。これはフローリング調のビニル系の素材で、今やけして人気のあるものではないですが、建築当時の1970年代においては最先端の建材でした。
状態からすると数年前に張り替えられたもよう。デザイナーはあえてこのCFシートを選んだのではないかと想像します。70年代のモダンに思いを馳せて。
浴室は在来工法のままですが、数年前に浴槽の交換や壁天井の塗装をやりかえ、タイル磨きなど丁寧にメンテナンス済み。そして見たところ浴槽は本来より少し上げて設置されているもよう。そうすることにより浴槽下部の空間の手入れがしやすくなります。
また、洗面所に入るドアにストッパーがついていたり、和室の大きな収納(ハンガーパイプ付き押入)の棚板が半分だけ撤去されていてコートなどの長物をかけやすいようにしてあったり……
既存を活かしながらもユーザー目線でさりげなく工夫されています。
間取りやパーツがほぼ変わっていないのに、これってリノベーション?と思われる方もいらっしゃると思いますが、賃貸としての価値がきちんと「再生」されているので僕はこれもリノベーションの一つだと考えます。しかもハイレベル。
解体しないので廃材が出ないし騒音もたたず環境に(周りの住民の方にも)やさしい。新しくつくるわけではないのでモノを消費しないし、手ごろな賃料で貸し出せるから借りる側にとってもうれしい。
大きな改修をせずとも……まるで無駄な戦いをせずに勝つ達人のような(笑)……本質をとらえた、思想的なリノベーションだと思うのです。
バルコニーは少し南の入った西向き。
L型になっていて余裕があります。ベンチとか置いて楽しく使えそう。
共用部も丁寧に管理されていていつ訪れても清潔感あり。
福岡市内では、もうほどんど見られなくなったロータリー。歴史を感じる街角に建っています。
天神、博多駅周辺まで自転車で約10分。
薬院、白金、高砂エリア徒歩圏内。また、川を渡ってすぐの場所には美野島商店街があるという、なかなか便利で楽しい場所です。
SOHOも応相談なので、フリーランスの方にもおすすめ!
OUTLINE
- 間取り
- 1LDK(45㎡)
- 家賃
- 65,000円
- 共益費
- 3,000円
- 所在地
- 福岡市中央区清川2丁目
- 交通
- 地下鉄渡辺通駅徒歩11分
- 西鉄バス高砂2丁目停4分
- 完成
- 1977年
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 規模
- 地上7階建て
- 階数
- 7階部分
- 駐車場
- 無し
- 敷金
- 無し
- 礼金
- 1ヶ月
- 町費
- 250円
- 設備
- 都市ガス、給湯器、室内洗濯機置場、TVモニター付インターホン、ウォシュレット、エアコン、エレベーター
- 仲介手数料
- 賃料の半月分と消費税
- 備考
- 損保:要加入、家賃保証:要加入
- その他
- SOHO応相談、定期借家契約2年(再契約可)
- 取引
- 媒介