薬院てんてん市

暮らし イベント

今回は薬院てんてん市(以下、てんてん市と呼ぶ)というイベントを紹介します。この催しはまちぐるみで行う蚤の市。ショップの軒先や駐車場などのまちに点在するちょっとしたスペースを活かしてまちの人たちが一斉に蚤の市をやるというイベントです。2009年6月に第一回目が行われ、先月5月の25日に第10回目が開催されました。

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※第10回目の模様

ことの始まりは飲み会でした。私たちがリノベーション計画でかかわったKYOYA薬院ビルの入居者さんたちと懇親会をしたときのこと。皆で何か面白いことをやりたいね、といった話になったことがきっかけ。それは確か2月頃のことだったと覚えていますが、その年の6月にてんてん市開催というかたちで実現することに。

そんなこんなで、てんてん市はKYOYA薬院ビル1階のガレージでこじんまりと始まりました。会場はここの1カ所、参加者は14組といったふうで本当にささやかなスタート。ただ、まち中に拡散させる目論見があったので、薬院てんてん市というネーミングにしました。薬院のまちに会場が点々(てんてん)と広がり繋がっていく、そんなイメージ。おかげさまで今では会場数が30弱まで増え、参加者も50~60組集まるイベントに成長しました。

私たちは立ち上げからずっと運営に関わっているのですが、このてんてん市、不動産とリノベーションを仕事とする私たちにとって、実は実験的な試みなのでした。まちの使い方を再考し、まちの皆さんの力を借りて試してみました……
「買わない、つくらない、自分たちでやる」これを原則に私たちは運営しています。なるべく既存を活かして、イベントのためにわざわざ何かを買ったり、新しく設えたりしない。広告等も自分たちでやる。既存の空間やモノ、ネットワークをとことん活かせば、持続性のあるまちづくり活動ができるはず……これが私たちの実験内容です。

結果、10回目まで開催することができたので、実験は今のところうまくいっていると思います。参加費を徴収(現在は1組1,000円)しているし、オリジナルの手ぬぐいを作って販売するなどして、若干ですが収益も出て、3.11の震災の時には義援金を送ることもできました。

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10回目にしてようやく来場者用のインフォメーション&休憩所を設けることができたのですが、この時に思い切ってタープを購入。丁度タイミングよくディスカウントをやっていて約9,000円でゲット。これが今までで一番高い買い物に…そんな感じでやりながら手を加えていき、今では運営にもあまり手がかからない状態になってきました。
とはいえ、言いだしっぺということもあり、始めてからしばらくの間は、サイトやチラシをつくったり参加者を集ったりなど、私たちはボランティアで結構な時間を割きました。でも、マスコミから取材を受けたり、不動産オーナーから声をかけていただいたり、一般の方々からも多数のお問い合わせをいただくなど、変な話し、どこかの媒体に広告を出すよりもよほど会社(ひかり生活デザイン)の宣伝になったような気がします……これはインターネットと口コミのおかげですね。

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また、てんてん市のネットワークをベースにして薬院サルー祭りというハジゴ酒系のイベントも立ち上がりました。こちらは月に一度のペースで開催し、チラシには広告枠があって、協賛を集っています。まちのイベントや口コミがメディアのようになってきている。一昔前(ネットが普及する前)であれば広告にお金を使って集客しなければならなかったのに、今では逆にお金をもらっている。これは面白い流れですね。情報発信の逆転現象です。

このように、まちの使い方を先入観なく見直せば、まだまだそこには可能性がたくさん眠っていると思います。暮らしのベースとなる不動産(特に集合住宅)についても同じことが言えるでしょう。

新しくなったSELECTROOM では、そこら辺を掘り起し、実験し、提案していきたいと考えています。

※次回のてんてん市は本年10月下旬から11月上旬ごろに開催する予定です。
最新情報とこれまでの模様は公式サイトで見られます→ 薬院てんてん市

 

TEXT:春口